終活相続準備~戸籍集めその18【横浜市戸籍取寄せ代行】
お世話になっております。横浜市、川崎市を中心に家系図作成、公正証書遺言、相続手続きを行っているこぐち行政書士事務所です。当サイトをご覧くださいまして誠にありがとうございます。
前回から、「戸籍」について書いております。戸籍は家系図作成、公正証書遺言、相続手続きについて必須なので本日も戸籍に関して連載していきます。
相続手続きの際には婚外子の調査も必要です。
婚外子はどのように調べればいいのですか?
婚外子は母の戸籍に入ります。
婚外子は母の氏を名乗り、父が認知した後は、子どもの戸籍だけだはなく、認知をした父の戸籍にも、認知したことが記載されます。

ただし、父の認知事項は転籍などした場合は、転籍先の戸籍では移記されませんので注意が必要です。
婚外子と戸籍
婚姻関係にない男女から生まれた子を「婚外子」といいます。
婚外子は母の戸籍に入りますが、当然に父とも血縁関係にあります。
ところが、法律上は親子関係が生じないため、父が亡くなれば相続権がありません。
このようなことにならないために、法的な親子関係を発生するための手続きが「認知」です。
婚外子は、父が認知して初めて父からの相続権が発生します。
戦前は約10%が婚外子であったため、昔の戸籍を見ると認知の記載がままあります。
婚外子の存在は父の戸籍に認知の記載があればわかりますので、戸籍調査で認知の記載を見つけた場合は、認知した子も相続人になりますので注意が必要です。
リンク
認知の種類
認知には3種類あります。
1,父又は母が自ら戸籍上の届出をする認知(任意認知:民法781条1項)
2,子側から裁判所に訴えて行う認知(強制認知:民法787条)
3,遺言による認知(民法781条2項)
父又は母死亡の日から3年を経過するまでは、検察官を相手に認知の訴えを起こすこともできます。
母は産んだ事実により母子関係が当然に発生するので、認知の必要は無いとされています。
現在、認知は父子関係においてのみとなります。
認知は戸籍にどのように記載されるのですか?
婚外子は、母の氏を名乗り、母の戸籍に入ります。(民法790条2項、戸籍法18条2項)
その後、父に認知されても、すぐに父の戸籍に入ることはありません。
また、母が婚外子を産んで新たに戸籍を作った後、父が認知をすると、認知の事実が子どもの身分事項欄に記載されます。
一方で、認知をした父も自分が認知したことの記載が父の身分事項欄に記載されます。
旧民法では認知後は原則として父の戸籍に入ることになっていましたので、大正4年式戸籍では認知した後は父の戸籍に入っていますが、現在の民法では、前に書いた様に母の戸籍に入ります。
ただし、現在の民法でも認知後は家庭裁判所の許可を得て父の氏を名乗ることができるため、父の戸籍に入っている場合もあります。子ども側の戸籍に記載された認知事項は、転籍、婚姻など新たな編製があった場合、新戸籍又は他の戸籍にこれを移記しなくてはならないので(戸籍法施行規則39条1項2号)、子どもの戸籍を見ると、この子が認知されたかどうかがわかります。
一方で、父の戸籍に記載された認知事項は、新戸籍・他の戸籍に移記されないので、男性が認知したことがあるかを調べるためには、その男性が出生した時までをさかのぼって調査する必要があります。
以上、「婚外子はどのように調べればいいのですか?」について書きました。
遺言書を作成するには、生まれた時から現在までの連続した戸籍謄本を集める必要があります。
遺言書を作成するか決めかねている場合は、ご自身の戸籍を集めてみるのは如何でしょうか?
リンクもご覧いただけたら幸いです。