終活相続準備~戸籍集めその20【横浜市戸籍取寄せ代行】
お世話になっております。横浜市、川崎市を中心に家系図作成、公正証書遺言、相続手続きを行っているこぐち行政書士事務所です。当サイトをご覧くださいまして誠にありがとうございます。
前回から、「戸籍」について書いております。
戸籍は家系図作成、公正証書遺言、相続手続きについて必須なので本日も戸籍に関して連載していきます。

👲直系尊属の戸籍調査について教えてください。
未婚の子どものいないAさんが亡くなりました。Aさんの父親は先に亡くなっています。
Aさんの母より相続の相談を受けました。娘の預貯金の解約をしたいとのことです。
誰がどの戸籍を確認すればよいのですか?
☺以下の3点が必要です。
1,Aさんの出生から逝去までの連続戸籍
2,母の現在戸籍
3,父の逝去の記載されている戸籍
また、Aさんが亡くなる前に死亡した子どもがいた場合、代襲相続人の調査のためにその子の出生から逝去までの連続した戸籍が必要です。
直系尊属の相続t3
直系尊属とは、上下関係にある直系血族の内、自分よりも上の人です。
例えば、父母、祖父母、曾祖父母などを指します。
直系尊属は第2順位の法定相続人なので、逝去された人に第1順位である子がいない場合に相続権が発生します。
直系尊属の相続権は、上下の直系尊属の中では逝去された人に近い人に発生します。
つまり、父母が優先し、父母がいなければ祖父母となります。
父母のどちらか一人でも生きているときは、祖父母が存命でも相続権は発生しません。
養父母も直系損属であり、実父母と同順位で相続権があります。
直系尊属の戸籍調査~先順位の子どもがいないことを確認します~
相続が発生した場合、先に第1順位である子どもがいるかどうかを確定しなければなりません。
これは、相続人調査で必ず行わなくてはならない作業であり、相続手続きにおける戸籍調査とは、子ども有無を確認する作業です。
第1順位の子どもがいないことを確認してから、直系尊属が相続人であることを確定するためには、次の戸籍が必要になります。
逝去された人の出生から逝去までの連続した戸籍
1,第1順位の子がいないことを確認する際に必要となります。
その際に、出生までさかのぼれば親の戸籍に行き着きます。
相続人全員の戸籍
2,子どもがいればその戸籍を取り寄せしますが、もし子どもがいない場合は、父母の戸籍を取り寄せします。
逝去された人が婚姻・分籍などによる戸籍の移動をしていなければ親の戸籍に在籍しているため、逝去された人の戸籍で代用できる場合があります。
直系尊属の逝去の記載がある戸籍
3,両親のどちらか一方あるいは双方とも逝去している場合は逝去により除籍されていることを確認しなくてはなりません。
両親が双方とも逝去している場合は、祖父母が存命なのかを確認します。
代襲相続人がいないことを証明する戸籍
1,の調査で子どもが先に逝去していたり廃除されていた場合は、その子の出生から逝去までの連続した戸籍が必要です。
これは、子どもが死亡しているという事実確認と、その子の代襲相続人の有無の確認が必要なためです。
逝去された人の戸籍に入ったまま婚姻せずに死亡している子どもなどは、逝去せれた人の戸籍だけで、死亡の事実と代襲相続人がいないことが判明します。
戸籍だけではわからないこと
戸籍上子どもがいても子に相続権が発生せず、直系尊属が相続するケースとして、子が欠格事由になる場合(民法891条)と相続放棄した場合の2つのケースがあります。
欠格事由に該当すると法律上当然に相続権を失いますが戸籍を見ただけではわかりません。
放棄を戸籍に記載されないため、家庭尾裁判所で発行する相続放棄申述受理証明書により確認しなければなりません。
なお、欠格は代襲相続がありますが、放棄には代襲相続がないという違いがあります。
以上、本日も戸籍について書きました。
遺言書を作成するには、生まれた時から現在までの連続した戸籍謄本を集める必要があります。
遺言書を作成するか決めかねている場合は、ご自身の戸籍を集めてみるのは如何でしょうか?
リンクもご覧いただけたら幸いです。