戸籍の年式の特徴とは?【横浜市戸籍取寄せ代行】
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横浜市、川崎市を中心に戸籍取寄せ代行、公正証書遺言、相続手続きを行っているこぐち行政書士事務所です。
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前回に続き、戸籍について書いていきます。
戸籍の年式の特徴について
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現存する戸籍は明治19年式から平成6年式まであります。
各戸籍の年式の特徴について書いて行きます。

明治19年式戸籍の特徴

1,作られた期間は明治19年10月16日から明治31年7月15日まで。
2,家督相続(家の全ての財産・権利・義務を長男1人だけが相続する制度)する人・戸主を中心に家族関係が記載されています。
3,一つの戸籍に戸主を先頭に一家全体が記載されています。
4,戸籍の第一葉目の表に4人分、裏に5人分が記載されています。
5,第二葉目からは、表・裏にも5人分が記載されています。
6.明治19年以降で新戸籍の編製が必要になった日に編製された戸籍であるため、各人も事項欄に書かれている日付から編製日を推測するしかありません。
7,つまり、新しく戸籍が作られた日がわかりにくいのです。
8,転籍や家督相続に伴う除籍制度が設けられるようになりました。
9.それまでの明治5年戸籍には除籍の規定がありませんでした。また、戸主が交代した場合であっても新しい戸籍は作りませんでした。
10,転籍の記載は事項欄ではなく本籍地欄に記載されます。
11,戸籍謄本が除籍謄本になると、本籍欄の右側に「除籍」の印が押されます。
12,戸籍謄本が改製原戸籍謄本になると、本籍地欄の右側に「改製原戸籍」の印が押されます。
13,現在、取得できるのは、除籍謄本か改製原戸籍謄本です。
また、保存期間が終了して廃棄されている場合もあります。(私の母方の分が廃棄されていました)

明治31年式の特徴

1,作られた期間は明治31年7月16日から大正3年12月31日まで。
2,戸籍の第一葉目の表に2人分、裏に3人分が記載されています。
3,第二葉目からは、表・裏にも3人分が記載されています。
4,本籍は全て地番で表示されるようになりました。
5,家督相続(家の全ての財産・権利・義務を長男1人だけが相続する制度)する人・戸主を中心に家族関係が記載されています。
6,一つの戸籍に戸主を先頭に一家全体が記載されています。
7,「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」(家督相続の年月日)欄が設けられました。
8,つまり、戸籍を新しく作られた日、いつからの戸籍なのかが容易にわかるようになりました。
9,「いつまでの戸籍なのか」は戸主の事項欄に記載されています。
10,明治31年戸籍の作られた期間だけ「身分登記簿」の制度が設けられていました。
11,出生や死亡、婚姻、離婚、縁組などの身分関係の届出は、まず最初に「身分登記簿」に登録されました。
12,しかし、二重の手続きのための煩わしさなどから、大正3年の戸籍法改正で「身分登記簿」の制度は廃止となりました。
13,家督相続や婚姻、転籍などは全て転記されていました。
14,過去の戸籍編製事項や転籍事項などは全て記載されています。
15,戸籍謄本が除籍謄本になると、本籍欄の右側に「除籍」の印が押されます。
16,戸籍謄本が改製原戸籍謄本になると、本籍地欄の右側に「改製原戸籍」の印が押されます。
17,現在、取得できるのは、除籍謄本か改製原戸籍謄本です。
大正4年式戸籍の特徴

1,作られた期間は大正4年1月1日から昭和22年12月31日まで。
2,戸籍の第一葉目の表に戸主1人分のみが記載されています。
3,戸籍の第一葉目の裏に2人分が記載されています。
4,第二葉目からは表・裏にも2人分が記載されています。
5,戸籍の管理は市町村役場が行うようになりました。それまでは戸籍史や戸籍役場が戸籍の管理を行っていました。
6,家督相続(家の全ての財産・権利・義務を長男1人だけが相続する制度)する人・戸主を中心に家族関係が記載されています。
7,一つの戸籍に戸主を先頭に一家全体が記載されています。
8,明治31年式戸籍にあった「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」欄が廃止され、いつから戸籍が作られたのかは「戸主の事項欄」に記載されるようになりました。
9,過去の戸籍編製事項や転籍事項(家督相続や婚姻、転籍など)は全て戸主の事項欄に記載されるようになりました。
10,戸主の事項欄に複数の戸籍編製事項の記載がある場合は、その中で一番新しい年月日の戸籍編製事項が、その戸籍の編製日となります。
11,「戸主の事項欄」には戸籍事項と身分事項が混在して記載されています。
12,「家族トノ続柄欄」は必要な場合のみ設けられます。
13,戸籍謄本が除籍謄本になると、本籍欄の右側に「除籍」の印が押されます。
14,戸籍謄本が改製原戸籍謄本になると、本籍地欄の右側に「改製原戸籍」の印が押されます。
15,現在、取得できるのは、除籍謄本か改製原戸籍謄本です。
昭和23年式戸籍の特徴

1,作られた期間は、昭和23年1月1日から現在までです。
2,戸籍の第一葉目の表に筆頭者1人分が記載されています。
3,戸籍の第一葉目の裏に2人分が記載されています。
4,第二葉目からは表・裏にも2人分が記載されています。
5,大正4年式まであった「戸主」がなくなり、「戸籍筆頭者」に変わりました。
6,「前戸主」「前戸主トノ続柄」「戸主トノ続柄」などの欄が廃止されました。
7,大正4年戸籍までの「数世代が一つの戸籍に入る」制度がなくなり、「親と子の2世代(一組の夫婦とこの夫婦の子ども)までが一つの戸籍に入る」構成単位になりました。
8,つまり、3世代戸籍(親と子と孫)が禁止されました。(三代戸籍禁止の原則(戸籍法17条)
第十七条 戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至つたときは、その者について新戸籍を編製する。
9,親と子で構成されている戸籍(子だけで構成されている戸籍は除く)では親が筆頭者になります。子は筆頭者になれません。
10,戸籍に関する事項は「戸籍事項欄、いつから戸籍が作られたのか」に、身分事項は「身分事項欄」に分けて記載されるようになりました。
11,戸籍事項欄を見れば、いつ戸籍が作られたのか、いつまでの戸籍なのかが容易に判るようになりました。
12,それ以前に所属していた戸籍での戸籍事項は転記されません。
13,過去の全ての転籍が戸籍事項欄に記載されなくなりました。
14,現在取得できるのは、除籍謄本、改製原戸籍謄本です。
平成6年式戸籍の特徴

1,作られた期間は、平成6年12月Ⅰ日から現在までです。
2,内容は横書きの箇条書きです。
3,コンピューター化された現行戸籍とも言われます。
4,記録する媒体が「紙からコンピューターの磁気ディスク」に変わっただけで戸籍の内容は変わっておりません。
5,現在取得できるのは、戸籍謄本か除籍謄本です。
6,改製原戸籍謄本はありません。
以上、「戸籍の年式」について書きました。
遺言書・相続手続の際には、生まれた時から現在までの連続した戸籍謄本を集める必要があります。
また、遺言書を作成するか決めかねている場合は、ご自身の戸籍を集めてみるのは如何でしょうか?
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