終活相続準備~戸籍集めその19【横浜市戸籍取寄せ代行】
お世話になっております。横浜市、川崎市を中心に家系図作成、公正証書遺言、相続手続きを行っているこぐち行政書士事務所です。当サイトをご覧くださいまして誠にありがとうございます。
前回から、「戸籍」について書いております。戸籍は家系図作成、公正証書遺言、相続手続きについて必須なので本日も戸籍に関して連載していきます。

👲養子は戸籍にどのように記載されるのですか?
☺養子は原則として、養子縁組日を基準に縁組の順に養親の戸籍に入ります。養親の身分事項欄には養子縁組の欄がありますので、縁組日が記載されます。
養子縁組とは?
養子縁組とは、養親になる人と養子になる人の合意により養子縁組の届出をすることにより成立します。
このような点は婚姻と良く似ています。
養子が未成年の場合は、家庭裁判所の許可が必要です。(民法798条)
ただし、未成年養子でも例外があります。
自分又は配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は不要です。
例として、相続税対策で自分の孫を養子にする場合があります。
養子が15歳未満の場合には本人の同意に代わる親権者の承諾が必要です。(民法797条)
また、配偶者がいる人は未成年の子を養子とする場合には、配偶者とともにしなしなければなりません。(民法795条)
成年になっている人を養子にする場合には、夫婦のどちらかが単独で養子縁組することができますが、養子ができると法定相続人が増えることになるため、単独で養子縁組するときは配偶者の同意が必要です。
特に、子どもがいない夫婦の場合には、養子縁組により相手に子どもができると配偶者の相続分が減るので注意が必要です。
養子と相続
養子縁組を行うことにより、縁組の日から養子と養親の間には法律上の親子関係が発生します。
養子は実父母との親子関係も継続するため、養子は養親・実親双方の法定相続人で、養親が逝去した場合は実子と同じ条件で相続することができます。
逝去した預金者に養子がいるときは、養子も相続人になります。
養親の養子縁組事項は新しい戸籍が編製されると移記されないため、逝去された方の養子の有無を戸籍調査で確定しなければなりません。
👲養子は何処の戸籍に入るのですか?
☺養子縁組が行われると養子は通常は養父母の戸籍に入り、養子になった時点で実父母の戸籍からは除籍されます。
実親の戸籍を遡ると、このように実子が婚姻だけでなく養子縁組によって除籍されていることがあるので要注意です。
養子縁組による戸籍の変動に関しましては、養子が単身の場合は養親の戸籍に入りますが、夫婦が養子になる場合など例外もあります。(戸籍法18条3項)
👲編製替えで養子縁組事項の記載は消えるのですか?
☺養子縁組をした場合は、養子と養子双方の身分事項欄に円組事項が記載されます。(戸籍法施行規則35条3号)
しかし、養親の身分事項に記載された縁組事項は、その後にその戸籍が転籍・改製などにより編製された場合には移記されません。
したがって、逝去された方の現在戸籍を見ても養子のいたことがわからず、改製原戸籍を見てもわからないことがあります。
一方で、養子の身分事項欄に記載された縁組事項は、その後に戸籍に変動があっても縁組が続いているかぎり移記されます。
特別養子について
特別養子とは、実の血族との親子関係が終了する縁組のことです。(民法817条の2第1項)
これには、家庭裁判所の審判が必要です。
普通養子と異なり実父母との親族関係は終了するため相続権も失われます。
養親との関係は実子と同じです。
幼子を養育する目的にふさわしい養子縁組として法制化されましたが、子の虐待防止に対応しきれない面があったため、令和元年に改正がされました。
旧法では、6歳未満の子が対象でしたが、虐待は10歳以上でも起こっていたため、改正法では原則15歳未満の子が対象となりました。(民法817条の5)
また、特別養子縁組のために必要な実父母の同意について審判を2段階にすることにより安易に撤回することができないようになりました。(家事審判法164条・164条の2)
再度、戸籍の変動ルールです。
1,原則、養子が単身の場合は養親の戸籍に入ります。
2,養子が夫婦の場合は、養親とは別に養親の氏で新戸籍が編製されます。(戸籍法20条)
3,夫婦のうち婚姻により氏を改めた人のみが養子となった場合は、養親・養子双方の戸籍に縁組事項が記載されるだけで、養子の戸籍は別途編製されません。
本日も戸籍について書いてみました。
遺言書を作成するには、生まれた時から現在までの連続した戸籍謄本を集める必要があります。
遺言書を作成するか決めかねている場合は、ご自身の戸籍を集めてみるのは如何でしょうか?
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