戸籍に書かれている文字の読み方、推定の仕方【横浜市戸籍取寄せ代行】
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前回に続き、戸籍について書いていきます。
戸籍に書かれている文字の読み方、推定の仕方
戸籍を手に入れたとしてもまだ終わりではありません。
つまずくことが多いのが「戸籍の読み方」です。
戸籍を取ってみたが、書いてある文字が読めないことが多くあります。

戸籍を読みにくくしている原因のひとつは「変体仮名」です。
変体仮名とは、昔の文字です。
昔の文字だらけで記載された戸籍の中でも比較的推定しやすい箇所があります。
「年月日」比較的推定しやすい上に、戸籍の記載事項に記される文書の中には必ず含まれます。
「年月日」に次ぐ頻出項目としては、戸籍の内容が変わる度に使われる「決まった単語」があります。
前回のブログ戸籍の年式。明治19年式、明治31年式、大正4年式、昭和23年式、平成6年式の説明と重複しますが、戸籍を読み取るためには4つのポイントがあります。その戸籍自体と戸籍に記載されている個人が、
①いつから記載されているのか?
②いつまで記載されていたのか?
③どこの戸籍から来たのか?
④どこの戸籍へ行ったのか?
がありました。
4つのポイントで使われている単語はある程度は限られています。
例えば、
・死亡
・出生
・婚姻
・入籍
・離婚
・養子
・相続
・除籍
・転籍
・編製
・消除
・受付
・戸主
などです。
以下、
- 変体仮名とは?
- 年月日の推定方法
- 戸籍に頻出する文字・数字、平仮名のサンプル
を説明します。
変体仮名とは
漢字がもとになって平仮名はできています。
漢字には「音」と「意味」の2つが備わっています。
平仮名には「音」しか備わっていません。
例えば、昔は、同じ「音」を表現するのに複数の平仮名がありました。
現在使われている平仮名の「あ」のものになっている漢字は「安」です。
「あ」のもとになっている漢字には、他に「阿」「愛」「悪」「亜」などがありました。
現在使われている平仮名のもとになっている漢字以外の漢字(「あ」の場合だと「阿」「愛」「悪」「亜」など)をもとにして作られた平仮名のことを変体仮名といいます。
リンク:学術情報交換用変体仮名
年月日の推定方法
年月日などの記載は「壱、弐、参、拾」などの文字を使うよう法律で決められています(戸籍法施令規則第31条)
第三十一条 戸籍の記載をするには、略字又は符号を用いず、字画を明かにしなければならない。
② 年月日を記載するには、壱、弐、参、拾の文字を用いなければならない。
③ 戸籍に記載した文字は、改変してはならない。
④ 市町村長は、戸籍の記載をするに当たつて文字の訂正、追加又は削除をしたときは、その字数を欄外に記載し、これに認印を押し、かつ、削除された文字をなお明らかに読むことができるようにしておかなければならない。
A:年
年号によって使われる漢字は限られてきます。
明治は45年まで、大正は15年まで、昭和は64年までです。
明治の戸籍で2桁の年代であれば「四拾〇」年、「参拾〇」年、「弐拾〇」年「拾〇」年のパターンに限られます。
B:月
月は12種類です。
2桁の数字の月は「拾弐(12)」月と「拾壱(11)」月と「拾(10)」月の3パターンですが、漢字で表現しても2文字になるのは11(拾壱)月と12(拾弐)月の2パターンに限られます。
C:日
日は31種類です(元日も)。
漢字で表現した場合に3文字になるのは、「弐拾〇」「参拾〇」の2パターンです。
つまり、漢字3文字で「日」が表現されていれば、2文字目は必ず「拾」になります。
戸籍に頻出する文字・数字・平仮名のサンプル
これらを読めるようになるには、何回も見ることが一番です。最初は読めなくても、しだいに読めるようになります。

以上、戸籍に書かれている文字の読み方、推定の仕方について書きました。
遺言書・相続手続の際には、生まれた時から現在までの連続した戸籍謄本を集める必要があります。
また、遺言書を作成するか決めかねている場合は、ご自身の戸籍を集めてみるのは如何でしょうか?
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